居合刀は、居合道という武道で使用される刀で、初心者から有段者まで幅広く利用されています。居合道は、室町時代に始まったとされる剣技で、正座の状態から抜刀し、仮想の敵に斬りつけ、最後に刀を鞘に納める一連の所作を修練します。今回は、居合刀の種類と特徴について紹介します。
居合刀には大きく分けて真剣と模造刀の二種類があります。真剣は本物の日本刀であり、有段者が演武や試合で使用します。真剣は所有者の好みに合わせて拵えを施すことができ、緊張感のある稽古や試合の迫力を提供します。ただし、真剣を所有するためには、銃砲刀剣類登録証が必要です。この登録証を持つ刀を受け継ぐか購入することで所持が認められます。
一方、模造刀は日本刀を模して作られた刀で、刃が付いていないため安全に扱うことができます。模造刀は観賞用のものもありますが、居合道で使用する模造刀は専用に鋳造されており、刀身はアルミニウムを多く含む素材で作られています。これにより、適度な強度と軽さを持ち、居合の稽古に最適です。模造刀は切れないため、安全に稽古ができますが、刀同士を打ち合わせることは避けましょう。
居合刀の選び方も重要です。模造刀であれ真剣であれ、「刃の長さ」と「重量」がポイントになります。初心者の場合、身長に合わせて短めで軽めのものを選ぶと良いでしょう。例えば、身長160~170cmの人であれば、初心者向けに2尺3~4寸(約70~73cm)、重量は800~900gが適しています。これに対して、有段者は2尺4~5寸(約73~76cm)、重量は1~1.2kgを目安に選びます。流派や個人の身体能力によっても適した長さや重量は変わるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
居合刀の手入れも大事です。真剣の場合、日本刀と同様に定期的な手入れが必要です。刀身を保護するために打ち粉や刀剣油を用い、サビを防ぎます。模造刀は手入れが比較的簡単で、湿気を取るために良質なティッシュペーパーで拭くだけで十分です。ただし、模造刀に打ち粉を使用すると表面のメッキが剥がれる恐れがあるため、避けてください。
居合刀は、日本刀の美しさと武道の実践を兼ね備えた道具です。真剣と模造刀のどちらを選ぶにせよ、その特徴と用途を理解することで、より充実した居合道の稽古を楽しむことができます。初心者の方も、自分に合った居合刀を見つけ、その歴史と技術を学びながら、日本刀の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。